気になる疾患

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎一般的に四十肩・五十肩と呼ばれています。肩関節の骨や軟骨、靭帯、腱などの炎症から痛みが現れます。可動域が狭まって腕を上げるなどの動作が制限され、肩を動かした時や就寝時に痛みが強くなることがよくあります。
適切な治療を行わずに放置していると、組織が癒着して動きが制限される拘縮を起こしやすくなります。

腱板断裂

肩関節をスムーズに動かすための筋肉組織の腱板が、加齢によりすり減ったり、打撲によって断裂してしまうと、腕を上げることができなくなります。長期間放置していると拘縮を起こすこともあります。四十肩・五十肩と同様に、肩や腕を動かす動作や就寝時に痛みを起こしやすい傾向があります。

変形性膝関節症

変形性膝関節症膝の関節軟骨がすり減って変形する病気で、多くは加齢が原因となり発症しますが、外傷によって発症することもあります。水がたまって腫れることがあり、変形によって動きにくい・正座などができない場合もあります。階段の上り下りや椅子に座る・立ち上がる際に鋭い痛みが生じるケースが多く、悪化すると安静時に痛みが続くこともあります。肥満の場合、膝にかかる負担が増えて発症しやすいと考えられています。

診断・治療

関節裂隙の状態や骨の変形がないかをレントゲンで確認します。ヒアルロン酸の関節内注射や消炎鎮痛剤で、炎症を抑えて痛みを緩和させる治療を行います。再発を予防するためには、適切なリハビリテーションで膝周辺の筋肉を強化しましょう。肥満の方は、肥満を解消することで予防につながります。
このような治療でも効果が得られない場合には、手術を検討します。

急性腰痛症

急性腰痛症急性腰痛症とは、ぎっくり腰のことで、重いものを持ち上げる、腰をひねる、中腰になるといった動作で、腰に激しい痛みが起こります。歩くのも困難になります。しばらくは安静を保つことが大切です。腰の痛みは、ぎっくり腰以外に何らかの病気が原因で起こっている可能性もあるので、整形外科で腰痛の原因を調べて適切な治療を行いましょう。

胸椎・腰椎圧迫骨折

背中や腰の部分の背骨がつぶれるように骨折した状態です。事故などのケースを除き、ほとんどの場合は、骨粗鬆症が原因となって起こります。
骨粗鬆症は、もろくなった骨が少しずつつぶれていくことで、強い痛みなどの症状がない場合があります。骨粗鬆症以外に、運動不足や無理なダイエット、消化器疾患の手術などによって発症することもあります。

診断・治療

骨の変形がないか、レントゲンで確認します。圧迫骨折が起こってからしばらく経過してから骨が潰れて変形することがあります。
最初の検査で異常が認目られない場合、数日後に改めてレントゲンを再撮影したりMRI検査を行うことがあります。治療はコルセットを作製します。圧迫骨折をされた方には骨密度の測定と骨粗鬆症の治療をすすめています。

半月板損傷

大腿骨と脛骨の間、膝にある半月板が損傷して、将来的に軟骨損傷のリスクが高い状態です。膝をひねったり、深く曲げるときに痛みや引っかかりが生じます。悪化するとロッキングのため膝を動かすことができなくなる可能性があります。

診断・治療

MRIなどで診断を行います。
治療は、消炎鎮痛薬の使用とリハビリテーションで症状の改善を図ります。これらの治療でも効果がない場合、手術をお勧めします。

足関節捻挫

足首をひねってしまい、足関節を支える靭帯が損傷を受けている状態です。靭帯は内側と外側にありますが、外側が損傷しやすい傾向があり、外くるぶしの前部分の腫れや痛みを起こします。スポーツ中に受傷したり階段を踏み外したり転倒したりして起こることもあります。まずはRICE(Rest;安静、Iceng;冷却、Compression;圧迫、Elevation;挙上)処置を行いましょう。捻挫ではなく骨折している可能性もあるため早めに整形外科に受診しましょう。

診断・治療

骨折の有無をレントゲンで確認します。治療は痛みと腫れを抑えるために消炎鎮痛薬を処方いたします。また、運動療法で筋力訓練やバランス訓練を行い、再発予防に努めます。

扁平足

土踏まずには、歩行時の衝撃を上手に分散する役割があります。内側のくるぶしの下に、アーチを吊り上げる働きをする後脛骨筋の腱が通っています。年齢による腱の変性や体重の負荷によって、この腱が断裂すればアーチは低下します。扁平足は土踏まずのアーチが平べったくなっている状態です。幼児のころから足裏が平べったく、大人になってもそのまま残っているタイプの扁平足では、痛みはありません。これに対して中年以降に発症する扁平足では内側のくるぶしの下が腫れ、痛みが生じます。
扁平足の原因には、長時間の立ち仕事や体重の増加などがあります。扁平足は、足に強い衝撃を受けて慢性的に痛みを起こしやすく、バランスがとりにくいため転倒リスクも上昇します。

診断・治療

レントゲンで足の骨の並びに異常がないかを確認します。
痛みがある場合は、消炎鎮痛薬を用いて痛みを抑えます。土踏まずを補助する足底板という装具を使い治療を行います。運動療法で、足の裏の筋肉を鍛えます。アーチを上げることにより、疼痛は緩和されます。重症例では、手術が必要になることもあります。

骨粗鬆症

骨粗鬆症骨粗鬆症とは骨の量が減り、骨がもろくなって骨折しやすくなる状態です。気付かないうちに、骨折しているケースも珍しくありません。閉経後、女性は骨の形成をサポートする女性ホルモンの分泌がなくなるため、骨粗鬆症リスクが高くなります。高齢になると、身体の重みなどによって骨が圧迫骨折を起こして、背が縮んだり背中が曲がったりします。薬物療法や運動療法などにより、早めに骨粗鬆症の予防を行うことが大切です。

痛風

血中の尿酸値が高くなる高尿酸血症で、関節に尿酸の結晶が付着して炎症を起こすと痛風発作を生じます。尿酸結晶は鋭くとがっており、身体の末梢にたまりやすい傾向があります。特に、足の親指の付け根(MP関節)にたまって炎症を起こし、風が吹いただけで激しい痛みがでるといわれる痛風発作を起こします。その他、足の指、脚の甲、踵、アキレス腱の周囲、膝関節など下肢に多いことが特徴的です。特に患部に結節ができたために関節の変形が起きたり、重い合併症を引き起こしやすい病気でもあります。
成人男性の5人に1人は高尿酸血症を発症しているため、30代~50代の男性の発症率が高いと言われています。

原因

血中の尿酸値を上昇させる原因は、飲食物に含まれるプリン体の過剰摂取です。プリン体はビールをはじめとするアルコール、レバーなどに多く含まれています。また、ストレスや運動のやりすぎも尿酸値を上げることがあります。

治療
  1. 消炎鎮痛剤で発作の痛みを抑える。
  2. 尿酸を下げていくように内服治療していきます。同時に尿酸値を上げるような生活習慣を改善して、栄養や運動の見直しをしていきます。

関節リウマチ

手のこわばりや腫れ、痛みなどを起こす病気で、自己免疫の異常が関係していることはわかっていますが、はっきりとした発症の原因はまだわかっていません。40~50歳代の女性に多く、左右対称の関節に痛みが起こりますが、片方だけに起こることもあります。進行すると関節が破壊されて激しい痛みを伴います。
現在では、効果の高い薬剤が登場し、早期に治療を始めることで進行を止めたり、症状を緩和させて寛解に導くことも可能です。初期には、起床時に症状が強く現れることが多く、手のこわばりや動かしにくさなどが起こります。手などの関節に違和感を覚えたら、早めに整形外科を受診しましょう。

TEL.
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